邦題の「チョコレート」は、年配の白人男性と付き合う若い黒人女性の隠語を意味する。内容としてもそういう映画だ。だが、単純ではない。重要な人物が死んでしまう。女性にとってのそれは、囚人だった夫だ。男にとってのそれは、ネタバレになるからやめておこう。黒人差別が根深いこの男の父親の影響で、この男もそうなってしまっていた。だが、ある人物の影響でその考えを見つめなおそうと思うようになる。
アメリカ人に根付いたその差別発想を改めさせるものは一体何か。60年代などは白人を撃って『よくやった』と言われるほど、その闇は完全に彼らの心底にうずまいて晴れることはなかった。そして、そんな男がすぐに黒人女性と恋愛などできるのだろうか。