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『3時10分、決断のとき』 レビュー(感想)と考察

『3時10分、決断のとき』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

1957年に公開された『決断の3時10分』のリメイク。私はそっちを観ていないのでこれが初見だ。西部劇というのはその存在の意味を知らない時は嫌いだった。だが、歴史を知って、なぜ彼らがあのような『荒野』にいるのか、そしてガンマンであり、アメリカでよくそれが流れるのか。それを知るとスムーズに受けいれることができるようになった。要は、日本でいうところの『時代劇』なのである。

 

時代劇というのは日本ではお侍さんがいて、というイメージだが、そのアメリカ版が、西部劇なのである。もちろん時代劇というのは『その時代を切り取った舞台や映像作品』であるからして、イギリスの場合は大英帝国時代の、カツラやドレスを着て貴族がいて、というそれが時代劇となる。西部劇というのは、アメリカの西部の話だからそう名付けられている。東部には首都のワシントンやニューヨークなどがある。西部にはカリフォルニアやテキサス、そしてロスアンゼルスなどがある。

 

西部は昔、先に居ついた東部と比べて『未開拓エリア』だった。だから荒野が多かったわけだ。イギリスとフランスから宗教的な背景を抱えながら白人が新天地を求めてアメリカ大陸にやってきた。インディアンと呼ばれる先住民はいたが、彼らを迫害しながらエリアを拡大。そしてアメリカ合衆国を作るようになる。その最初が東部だ。

 

そして西部の方にも手を伸ばす。西部には金鉱があり、ゴールドラッシュを狙って人々が押し寄せた。土地も欲しい。鉄道を作ってエリアを確保し、人を流入しながら雇用し、働き、とにかくこの地をアメリカ人のものにしようと躍起になったのである。BTTFで言うと『3』の時代がそうだ。だからあそこで鉄道が一つのカギとして話の主軸に出てくる。

 

また、ガンマンがいる理由は彼らが『通用した』からだ。要は、まだ土地もインフラもない荒野のそのエリアは、警察組織もままならかった。保安官はいたが、彼らがまとめる秩序の光は弱く、闇たる悪人たちがのさばりやすい状況下にあった。youtubeやインスタも、最初はエロ、グロが簡単にまかり通っていたが、あれに似ている。大勢の人が集まり、徐々に現在の社会のように、ルールが敷かれて秩序が作られていく。

 

そんな時代背景を知ることができれば、西部劇はもう最高のエンタメだ。果たして彼はそういう状況下の中、何に重きを置いて生き貫くのだろうか。混沌とした世界だからこそ、人々が心底に抱える信念の槍の形が、浮き彫りになる。

 

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