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『戦場にかける橋』 レビュー(感想)と考察

『戦場にかける橋』

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

題名の「戦場にかける橋」とは、タイ王国のクウェー川に架かるクウェー川鉄橋を指す。この映画の原作者ピエール・ブールは、1943年に日本軍の捕虜となり、1944年に捕虜収容所を脱走し、イギリス軍の水上機で脱出している。この映画に彼の名前を持つ人間は出てこないが、この作品の内容に瓜二つの過去を経験していることから、その小説が自己の体験に基づき書かれたものであり、それを基に作られ、脚色されたこの映画の本質には、真実が含まれていることになる。

 

捕虜が奏でる口笛の音色『クワイ河マーチ』があまりにも有名で、これを知らない人は、ビールか何かのCMの音楽かと思うだろう。それくらいよく耳にする曲であり、それがこうした危機的状況で歌われたものだとは想像できないだろう。ちなみに、この後に1989年にイギリスで制作された映画『戦場にかける橋2/クワイ河からの生還』(原題:Return from the River Kwai)は、原題・邦題共に本作の続編であるかのようなタイトルだが、実際には無関係の作品で、本家権利元から商標侵害について訴訟を受けているという。

 

そのようにして思わずおこぼれを貰いたくなるほどインパクトのある一作だと言えるだろう。この映画によって、『イギリス人は日本人に捕虜にされた』という事実が印象付けられたのではないだろうか。その他、『レイルウェイ』、『戦場のメリークリスマス』、『アンブロークン』なども同じ状況であり、ぜひこれらの作品すべてを見て、当時の状況をなるべく正確に把握したい。