Contents|目次

『マッドマックスシリーズ』 レビュー(感想)と考察

『マッドマックス』

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

私はあまりヘビメタとかヘビーなロックの世界を好きになれない。たくさんピアスを開けたり、モヒカンにしたり、革ジャンを直で着たり。そういうのを見てあまり感想が出ない。それは日本の暴走族を見て生きてきたと言うことも関係しているかもしれない。だからこの映画の顔とも言えるそういった暴走族の彼らを、あまり好きになれない。トム・ハーディのリメイク版でも、かかる音楽がそういう方向だし、私のあまり好きではない方向だと再認識した。

 

うるせえな・・

 

単純にそういう感想を抱いて終わりである。だが、やはり名作ということで観ておかなければならない。すると、そうした私の先入観によって身構えた私の心は、物語終盤で鷲掴みにされてしまっていた。

 

アメリカン・ニューシネマとは、1960年代後半から1970年代半ばにかけてアメリカでベトナム戦争に邁進する政治に対する特に戦争に兵士として送られる若者層を中心とした反体制的な人間の心情を綴った映画作品群、およびその反戦ムーブメントである。この『流行』は、当時のアメリカ人に『自由』を与えた。この時製作された様々な映画に『俺たちに明日はない』『イージー・ライダー』、『時計仕掛けのオレンジ』、『カッコーの巣の上で』などがあるが、わかる人にはこれらの映画の共通点からアメリカン・ニューシネマがどのような流行だったかが見えてくるだろう。

 

1979年に上映されたこのMAD MAXにも、どこかその面影がある。したがって、強烈なインパクトを与える。それがこの作品が伝説の映画となった理由の一つでもあるだろう。

 

 

Madmax2

1がヒットしたことで、約10倍の費用をかけて製作されたというこの作品。これでようやく製作者側が本当に描きたかった世界が描けるというわけだ。だが、世界はそう簡単じゃなく、実際には『ギリギリの状態で作られた一度目』の方が良かったりする。ゲームでも映画でも、1を超えることなく終わってしまうものもたくさんある。今回の売り上げで考えても、1が$99,750,000に対し、今回は$23,667,907とある。3分の1以下に終わってしまっている。

 

確かに今回でマッドマックスの世界が急変する。オーストラリアの荒野から、荒野や荒野でも『核戦争後の荒廃した世界』が舞台となっているので、『風の谷のナウシカ』『ウォーターワールド』と同じ世界となる。事実『ウォーターワールド』は主要なインスピレーションとしてマッドマックス2を引用した映画で、脚本を書いたデヴィッド・トゥーヒーもマッドマックス2のファンだったのでそのことを認めているという。私はこの映画とそれを観て、

 

マッドが砂漠で、ウォーターが水か・・

 

という感想を持ち、『地球荒廃後の世界』というセットでこの2つの映画をまとめていたのだが、今調べると実際にウォーターワールドがこの映画に影響を受けていたというので、似ていたのは当然だったことになる。『北斗の拳』にも影響を与え、この時代を生きる人々からすれば伝説的なインパクトがあったことは間違いないだろう。

 

シリーズの第3部に該当する『マッドマックス/サンダードーム』では、売り上げも$36,230,219まで伸びる。だが最初の売り上げと比較すればわかるように、パワーダウンしたことは紛れもない事実だろう。更に、2で出てきたキャラクターが3でも出てきているように見えるが別人だったりと、何だかよくわからない。『1』がMAXだったのだろう。

 

  • パワーオブワン
  • ワーキングガール
  • マイフレンドフォーエバー
  • 普通の人々
  • スリングブレイド
  • ピアノレッスン
  • ダンサーインザダーク
  • チョコレートドーナツ
  • ライフイズビューティフル
  • ニューシネマパラダイス

 

タイタニックでもレオンでもそうだけど、一発作品で強いのはたくさんあって、でもそれが2や3に発展すればどうなるか分からないところが本音だ。

 

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

作品を通して、まるでハードロックかヘビメタの音楽を聴いているような残酷な爽快感があるが、舞台は『風の谷のナウシカ』とほぼ同じようなものである。人間はどのような終末を迎えてしまうのか。一つの方向としてイメージしておくには損はないだろう。