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『余命1ヶ月の花嫁』 レビュー(感想)と考察

『余命1ヶ月の花嫁』

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

一人の女性が送った闘病生活を題材としたノンフィクションで、『イブニング・ファイブ』にて「24歳の末期がん」ドキュメンタリー特集として放送され、放送終了後も大反響を呼び、同年7月17日に特番『余命1ヶ月の花嫁/乳がんと闘った24歳 最後のメッセージ』が高視聴率を記録。そして本が刊行40万部を突破し、その流れの中でこの映画が作られ、その後舞台まで上演された。

 

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という流れである。末期の乳がんに冒されていたので、本当に一か月で世を去ってしまった。私の父は肝臓がんで、同じように言われて3か月持ったからそういう事もあり得るのだが、一か月だったのである。本当にあった話で関連する人物が大勢いるから不謹慎なことはできないが、このシナリオだけを考えると多くの人の心を動かす注目に値するものではないだろうか。

 

私もこれを知ったときからこれを見る今の今まで、常に頭の中に焼き付いてた内容である。タイトルを見れば内容は分かるし、私利私欲のことで頭がいっぱいの当時の私からすれば『遠ざけるべき煙たい内容』だ。だが、それと同時に心底ではこの物語から得られるものがたくさんあるとわかっていた。

 

正直、展開される日本の当時の若者文化といった表層のそれはどうでもいい。これは同じ時代を生きる同年代の人から共感を得るだろうが、そうではない人からはそうはならない。例えば100年後には全く違う目を向けられているだろう。だからそういうソフトはどうでもいい。それは揶揄する意味ではなく、『本質はそこではない』という意味だ。本質たるハードは他にある。『人間の命の重み』。そして、儚く虚しいこの人生を、尊く意義のあるものにするために人間は何をして、どのように生きればいいか、という普遍的かつ不変的な深遠なメッセージがここにあるのだ。

 

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