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『白鯨との闘い』 レビュー(感想)と考察

『白鯨との闘い』

ポスター画像出典:『映画.com

 

原題は『 In the Heart of the Sea』で、『白鯨のいた海』という邦題で公開される予定であったが、後に変更となったというが、見た私からするとそっちの方がピタリ来るような気がする。実在したハーマン・メルヴィルは、1850年にある男を訪ね、そこから物語が始まっていく。メルヴィルの『白鯨』とは、世界の十大小説の一つとして数えられている。

 

イギリス文学4作、フランス文学3作、ロシア文学2作、アメリカ文学1作で、『トム・ジョーンズ』を除きすべて19世紀の作品である。

掲載順 著者 作品 著者の国籍 原典 初出
1 ヘンリー・フィールディング トム・ジョーンズ イギリス 英語 1749年
2 ジェイン・オースティン 高慢と偏見 イギリス 英語 1813年
3 スタンダール 赤と黒 フランス フランス語 1830年
4 オノレ・ド・バルザック ゴリオ爺さん フランス フランス語 1834年〜1835年
5 チャールズ・ディッケンズ デイヴィッド・コパフィールド イギリス 英語 1849年〜1850年
6 ギュスターヴ・フロベール ボヴァリー夫人 フランス フランス語 1856年
7 ハーマン・メルヴィル 白鯨 アメリカ 英語 1851年
8 エミリー・ブロンテ 嵐が丘 イギリス 英語 1847年
9 フョードル・ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟 ロシア ロシア語 1879年
10 レフ・トルストイ 戦争と平和 ロシア ロシア語 1865年〜1869年

 

まだ捕鯨船がまかり通っていた頃の話だ。捕鯨船に生活の糧を求めて、体力自慢の屈強な男たちや、訳ありの人間など、異色な人間たちがこぞってそれらの船に乗った。だが、彼らは思いもよらない巨大な白いマッコウクジラと出会ってしまう。やつはまるで悪魔だ。白い海の悪魔が人間たちを襲う。

 

だが、現在の人間の思考で考えてみると、『捕鯨船は悪だ』という考え方がある。いや、それでいうなら他の命を乱獲する一切の行為は、人間の不祥事(出過ぎた行動)とも言える。それであれば、一体『悪魔』なのはどっちか。そういうことを一つ考えながら物語を見ていくと、人間らしからぬ行為を強いられる彼らの姿が。この映画では一つのカギとなる展開で、この話の流れがゆえにその善悪についてスポットライトを当てないが、実はこの行為、『ハーバード大学』で倫理について学ぶ人からすれば、決して目を反らせない衝撃的な事実なのだ。

 

一体何があったのか。彼らは悪魔と対峙し、どういう心境の変化を持ったのか。一つ言えることは、1930年代からの映画をたくさん観ているが、これだけのクオリティでこのストーリーを描けるのは現代だからであり、古い話だからといって決して無碍にできない本質があるということだ。大迫力の映画である。

 

 

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