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『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』 レビュー(感想)と考察

『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』

ポスター画像出典:『映画.com

 

 

1960年代前半。この時代はまさに黒人たちの時代と言ってもいいだろう。1955年12月1日にアラバマ州モンゴメリーで起きた「モンゴメリー・バス・ボイコット」を皮切りに、彼らの権利を主張する公民権運動が始まる。その指導者の代表者と言えば、

 

  1. メドガー・エバース
  2. マルコム・X
  3. マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)

 

だ。後の二人は有名だが、アメリカではメドガーエヴァースも有名。テレビで常に黒人の代表者として真理を主張し続けてきたことが、記録に残っている。1963年に起きた公民権運動家メドガー・エヴァーズ射殺事件。それは、当時を生きるアメリカ人にとってはあまりにも大きな事件だった。今回の映画でも彼の死のシーンが、そしてゴースト・オブ・ミシシッピーではまさに彼の遺族が主人公として描かれる。

 

詳しく調べたわけではないが、映画を観たところタイトルの『ヘルプ』は、現地で言う『お手伝いさん』であり主役の彼女たちを意味する。そして同時に、当時を生きた黒人たちの心の叫びが、ここに関係しているのではないだろうか。彼らは本当は現状から脱したい。だが、今まであまりにも淡々と現実を突き付けられすぎて、半ば真実を主張することを諦めてしまっている。

 

そんな中、一人の白人ライターが現れる。彼女も家にヘルパーがいた家庭で育った。だが彼女の場合は、その女性のことを実の母親のように慕っていた。つまり差別意識はないのだ。むしろ並々ならない愛情を持っている。では、その女性はどこまでできるか。彼女たちの心の叫びを、どこまで汲み取り、どこまでこの荒れ果てた時代のアメリカに、風を巻き起こせるか。

 

 

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