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『誰が為に鐘は鳴る』 レビュー(感想)と考察

『誰が為に鐘は鳴る』

ポスター画像出典:『GYAO!

 

 

これはもちろん翻訳された日本語だが、これで『誰がために(たがために)』と読むわけだ。だが、現代人が『たが』などと言うだろうか。『だれ』としか言わない。したがって、こういうグローバリズムを無視したガラパゴス的な邦題をつけた作品にはすべて『古臭い』先入観が漂ってしまうのが事実だ。普通に原題通りにしてくれれば今そう感じることはないだろう。

 

だが、80年も前の話だ。このポスターを見れば分かるように、1943年、つまり第二次世界大戦真っ最中の映画なのだから、そこにあるのは『大日本帝国』だ。この世界に日本語を蔓延させようとしていた当時の考え方からすれば、こうなってしまうのも無理はないだろう。そういう歴史的な意味でも、考えさせられる作品である。

 

また、1936年から1939年まで実際にあった『スペイン内戦』が舞台で、あのヘミングウェイの名作を映画化したのだから、注目せざるを得ない。それでも、80年も前の映画のアクションやクオリティに大きな期待はせず観るのが正解だ。