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『マリー・アントワネットに別れをつげて』 レビュー(感想)と考察

『マリー・アントワネットに別れをつげて』

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

『王妃マリー・アントワネット』では、1785年にあった『首飾り事件』が描かれる。王室御用達の宝石商ベーマーから160万リーブル(金塊1t程度に相当する)の首飾りをロアン枢機卿に買わせ、それを王妃マリー・アントワネットに渡すと偽って騙し取った典型的な詐欺事件で、それに引っ掛かったことも彼女が信頼を失くしたことに繋がった。

 

今回は『ヴァレンヌ逃亡』という事件にスポットライトを当てる。当時のフランスは、絶対王政の時代。度重なる対外戦争や宮廷の浪費がフランスの財政を大きく圧迫し、そのしわ寄せが国民の多数を占める第三身分の『平民』に来ていた。マリー・アントワネットは、革命が起こったとき、なんと『愛人』のフェルセンの力を借りて、一家でオーストリアを目指して逃亡する。しかし、国境近くのヴァレンヌで捕まってしまう。これが『ヴァレンヌ逃亡事件』である。

 

この事件が更に民衆の怒りを買うことになってしまった。革命が起きた当初は、別に国民は王を処刑するほど恨んではいなかったのだが、このような事件を通し、徐々に雲行きが怪しくなっていくのである。

 

今回、彼女の朗読係から見た視点で描かれるため、賛否両論が常に分かれる彼女の評価をより客観的に見ることができるのかもしれない。フランスでは彼女は『誤解されている』ということを言っている人もいるし、史実で考えるとどうしても『無知な浪費家』としか映らない。その辺りの真実を、色々な映画の色々な角度から見ることは重要な歴史探索になる。

 

 

 

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