ポスター画像出典:『映画.com』
やはり現在生き残っている俳優というのは実力があるのだろうか。1983年の映画でも、最後まで見応えがあるのだ。『画が持つ』というやつなのだろうか。他方、今生き残っていない、現代人があまり知らないような俳優が出ている昔の映画を観ても、展開が面白くなく、ただ会話しているだけの日常風景が流れる場合、見る気が失せてしまう。これが名優の実力なのだろうか。
21歳の若いトムクルーズ観れるということでファンにとっては嬉しいだろう。現在の彼を知る人からすれば、『7月4日に生まれて』と合わせてこの映画は彼の意外な一面、あるいはスターではない彼の時代を見ることができる。『エージェント』も彼が一般人を描いていることが売りだが、それよりもこっちの2つだろう。彼にもこういう役をやった時代があるんだ、と感じることができる。『マグノリア』などもそれに含まれるかもしれない。まだ私も彼の9割ほどしか観ていないのだが。
当時、彼のダンスがある種のブームを呼んだということも考えると、『フットルース(1984年)、『フラッシュダンス(1983年)』という同時代にあった映画との共通点も見えてくる。まさにこの時代は日本で『バブル』が発生し、『お立ち台』で女性が踊り狂い、1万円札を手に取ってタクシーを止める時代があった。
バブル崩壊後の1990年代初頭から2000年代初頭までの経済低迷期間を指して「失われた10年」と呼ばれていたが、サブプライムローン問題をきっかけに世界金融危機へ発展し、世界同時不況へと陥る。バブル崩壊後から10年以上が経っても、経済の低迷が完全に改善されなかったとされた。