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『ヘル・フロント 地獄の最前線』 レビュー(感想)と考察

『ヘル・フロント 地獄の最前線』

ポスター画像出典:『映画.com

 

イギリスの劇作家ロバート・C・シェリフが第1次世界大戦での実体験をもとにつづった「Journey’s End」が原作。第一次世界大戦というのは、例のあの洞窟のような、掘りのようなところ、つまり『塹壕(ざんごう)』で戦う塹壕戦がメインとなった。だからこの時代の映画のほとんどが塹壕戦を描く映像となっている。『西部戦線異常なし』、『1917』などが有名だが、例えば『戦火の馬』で、戦争の前線に行くことについてのやり取りがあるが、戦争の前線は字通り、『ヘルフロント(地獄の最前線)』なのである。

 

一般人が急に兵士として戦場に送られる中、そのほとんどの人の本音は『無事に家に帰りたい』というもの。『西部戦線異状なし』では、ある種のトランス状態のような目がギラついた兵士たちが戦争兵士に志願し、戦場に行くところからはじまる。だが、これらのどの映画でも、戦場に行ってそこを『良かった!興奮した!』と話す人間は一人もいなかった。

 

彼らもまた、その地獄のような戦場の最前線で、人生を見失っていた。