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『素晴らしきかな、人生』 レビュー(感想)と考察

『素晴らしきかな、人生』

ポスター画像出典:『GYAO!

 

名作『素晴らしき哉、人生』と比べて、評価の低い映画だ。興行的にはウィル・スミス主演作品としては最低の記録となった作品になったようだが、それもそのはず、時間が90分と短いし、本腰感がない。本当に力を入れたものじゃなければ人々の気持ちを動かすことはできないのだ。例えば『インターステラー』は、まだ私が別にクリストファーノーランを何となくとしか評価してなく、宇宙もどうでもいいと思っていたし、マシューマコノヒーに対しても(誰やねんこいつ、何か I’m coming backの言い方も腹立つな・・)と思っていたほどだ。

 

だが、そういう私を圧倒させた。それがこの映画の実力である。ブラックホールを初めて可視化することに成功したこともさることながら、入念にシナリオを練りこみ、細部まで計算されて作りこんでいることがよくわかった。とんでもない映画に出会ってしまったと感じたものである。

 

それに比べ、これはその『素晴らしき哉、人生』との関連性もよくわからないし、時間は短い。主人公が誰かも明確ではない。大物が多いが、大物が多すぎて誰にフォーカスすればいいか分からないし、90分という時間ならたった一人に集中した方が感情移入する時間を稼げたはずだ。

 

だが、駄作というわけでもないだろう。彼と同じような状況にある人からすれば、彼の気持ちはよくわかるだろうし、得られるものがあるのではないだろうか。