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『バトル・フィールド』 レビュー(感想)と考察

『バトル・フィールド』

ポスター画像出典:『映画.com

『征服王ウィリアム ソード・コンクエスト』が、『ノルマン・コンクエストに至るまで』という設定の映画で、バトルなどは何の臨場感もない映画とするなら、これはそのバトルに焦点を当てた映画だ。しかも、その映画の話の続きで、ウィリアム1世がイングランドを制圧した後の、同じ1066年の話である。この映画の監督は「U2」「Blur」、ジャミロクワイなどのミュージックビデオの編集を手がけたジム・ウィードンで、映像がスタイリッシュなのが特徴。

 

この二つの映画も、『ガリア戦記』を描いた『グレート・ウォリアー』も、娯楽レベルで映画を楽しむ人には価値は分からないだろう。私とて、歴史を学ぶ前だったら低く評価したはずだ。(退屈だ)と。だが、歴史を学んでからは見える世界が変わった。例えばこの映画なら、終わり方がああなるのも、『アングロサクソン人はノルマン人に支配された』という絶対的な時代背景があるからこうなるし、その中で、『こうして抗う人々もいた』という事実を描写したいのだということが、伝わってくるのである。どちらにせよ、ノルマン・コンクエストについて描いているとても貴重な映画だ。

 

1万2千の兵を率いてイングランドを征服し、英国王朝の初代王となったウィリアム1世にはデュラントという部下がいて、10万人ものアングロサクソン人を殺したという。そこへ、『シャドー・ウォーカー』という謎の男が現れ、アングロサクソン人と共に彼らの支配に抗う。