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『ジョーカー』 レビュー(感想)と考察

ジョーカー

ポスター画像出典:『映画.com

 

『バットマン』はすでに生誕してから80周年を迎えている。つまり、それだけすでに世界観が作りこまれているのである。しかもジョーカーはその中で特別な存在。圧倒的な悪のカリスマであり、『ドラゴンボール』で言えばフリーザのような存在だ。その存在感だけで多くの人の目を向けることができる。一朝一夕ではないのだ。積み上げてきたものが違うのである。

 

だが、260年積み上げた徳川時代が腐敗によって破綻したように、長く積み上げればいいというわけではない。どこかで誰かが気を緩め、その伝統を踏みにじる油断を見せるのであれば、すぐに淘汰される。それがこの世の常である。例えば、スーパーマンのせいかもしれないが、ベン・アフレックはバットマンの権威を少し下げてしまった。クリスチャン・ベールにカリスマ性があったことも原因の一つだろう。

 

しかし今回の映画はどうだ。なぜクリスチャン・ベールが作り上げたカリスマ・バットマンの味方をしてきたはずの我々が、彼の宿敵に同情してしまうのか。それがこの映画の魅力である。キャストを含めた関係者がどれだけキャラクターを愛し、リスペクトしているかは、映像から伝わってくるものなのだ。伝説のカリスマアウトロー『ジョーカー』の誕生秘話を見よ。