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『エリザベス』
ポスター画像出典:『映画.com』
イギリス王妃であり、世界で最も有名な王妃と言えば、エリザベス女王である。大英帝国の黄金期は彼女から300年後のヴィクトリア女王の時代だが、彼女の時代もまた『イングランドの黄金時代』と言われた。しかし、その地位の中で生きていくのは簡単ではなかった。世界一有名な女王はなぜ『処女王』と呼ばれたのか。彼女は信仰的には、プロテスタントの立場でカトリック教会と戦った女性の一人である。のちにオランダを支援するときも、それが理由である。
※ここはネタバレ
最後に登場する白塗りのエリザベスは、『エリザベス女王の完成』を演出しているはずである。実はこの時代の化粧は『おしろい』で、そこには鉛が使用されていた。肌は荒れる。だからまた厚化粧をする。そういう負の状況が当時の悩みだった。では、なぜその『負の無限ループにハマってしまった状態』を最後に持ってきたかというと、彼女の写真が下記のように、
[テューダー・ローズの紋様とオコジョの毛皮で飾った即位衣を纏うエリザベス1世。]
『エリザベス女王=白い顔』というイメージがついているからである。物語的に、『かくしてエリザベス女王が誕生した』というシナリオだから、この白塗りの顔が最後に出てきたのだ。今私が挙げたような話は歴史マニアぐらいしか知らないから、まず、世界万人に向けて発信する映像の演出として、白塗りの彼女を持ってきたのである。
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』
『エリザベス』の2だ。あれがエリザベスが女王になるまでを描いた作品で、これは女王になってからのエリザベス。歴史的に重要なのはどちらかというと、こっちの方だ。エリザベスが女王になったときは、まだイギリスの力はそう強くはなかった。無敵艦隊と言われる世界最強の艦隊を持つスペインの存在が、ヨーロッパの人々の心を強く押さえつけていた。
しかし、イギリスはその最強のスペインに勝利する。では、一体どうやって勝ったのか。彼女の女王としての采配や振る舞いはいかなるものだったのか。女王も人間であり、女だ。世界一有名な女性に相応しい彼女の人生の後半戦はいかに。