Contents|目次

『リベレイター 南米一の英雄 シモン・ボリバル』 レビュー(感想)と考察

リベレイター 南米一の英雄 シモン・ボリバル

ポスター画像出典:『Amazon

 

歴史の勉強をしていると、南米大陸の話が割愛されがちであるということ。そして、シモン・ボリバルという男の圧倒的な存在感について、興味を持つことになる。例えば、私が持っているいくつかの歴史書も、南米大陸の話はほとんどなく、シモン・ボリバルについて書かれていたとしても1ページも用意していない。だが、彼こそは『大コロンビア、ボリビア、ベネズエラ第二共和国、ベネズエラ第三共和国』の初代大統領であり、ペルーの8代大統領である。

 

一体、どういう人生を生きればそういうことになるのか。そして、なぜ彼が『リベレイター(解放者)』と呼ばれているのか。彼が移動した距離は馬で10万キロ、アレキサンダー大王の2倍の領土を持ち、征服ではなく解放を目的として南米大陸を動き回った、ラテンアメリカの英雄である。

 

日本では、八甲田山での修行一つが映画化されたわけだが、ここで登場するアンデス山脈を越えるシーンは、それ一つで映画化に匹敵する大冒険である。女性、子供、老人、そのすべてがスペイン軍と戦い、自由を勝ち取るために奮闘した。そういう、ラテンアメリカの深く濃い歴史から目をそらしてはならない。