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『空海』 レビュー(感想)と考察

空海

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

800年頃、富士山は噴火し、一か月間も社会に緊張が走った。そんな時、人はどのような考え方でもって、その問題に直面すればいいだろうか。空海は、その時日本に蔓延していた仏教を信じ、その教えに則って多くの人を助けたいと考えるが、まずその前に自分が知っている教えが本当に正しいのかどうか、疑わしかった。そこで、まず唐に渡って本物の仏教を学ぶことを決意する。同じころ、最澄も遣唐使として唐に渡って学んだが、仏教の神髄を習得したのは、空海の方だった。

 

『己一人が救われればいい、ではなく、万人を救い、国を鎮めて、この世に極楽浄土を作る考えこそ、真の仏教。悪人こそが救われるべき』という最澄の教えは、確かに真理だった。だが、空海が得たものはそれより更に広大な規模。最澄が得たものは、空海の会得した密教の一部でしかなかった。したがって、最澄は空海に教えを乞うことになる。

 

この世で成仏できなくて、なぜあの世で成仏できる。この世で逃げては、あの世でも成仏できない。この世から目をそらさず、考え方を最適化し、最後まで人生を諦めてはならない。ブッダの教えは様々な人間を通じて解釈が分かれたが、忘れてはならないのは、真理は正しく、人間は間違えるということだ。