『トラフィック』
ポスター画像出典:『Yahoo!映画』
メキシコに実在した麻薬カルテル「ファレス・カルテル」がモデルとなる人物が登場する、麻薬をテーマにした群像劇だ。日本人とアメリカ、メキシコ人のドラッグへの考え方はまるで違う。だから世界三大投資家のジム・ロジャーズがコロンビアの麻薬製造所を買い占めたことも、倫理的に首をかしげることになる。だが、アメリカでは大麻が合法化される。そうした方がマフィアに資金を流すよりマシだからだ。それだけ彼らの社会にドラッグが食い込んでいるのである。
今日見た『ピッチパーフェクト』でもSEXやシャワーシーン、音楽の歌詞や司会のセリフが日本では考えられない過激さを見たが、それが『自由』ということでもある。そして銃も麻薬も、その一部なのだ。銃の乱射事件が起きるたびにその所持についての倫理が問われるが、彼らの社会からそれらが無くなることはなさそうだ。
一言、根深い黒人差別然り、『馬鹿』なのだろうか。銃も麻薬も差別もやめられず、『自由』に依存し、『ソーダ税』をかけられ、医療問題で自己破産する人が後を絶たない。しかし、そんな混沌とした自由な社会だからこそ自律した主体性のあるやり手が出てきて、彼らの『ソフトパワー』で世界は満たされている。
では、この家族の結末はどうなるだろうか。父親が麻薬を取り締まる側であり、娘が依存症だ。自由な国で『幸せ』を見つけることは、難しい。