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『マザー・テレサ』 レビュー(感想)と考察

『マザー・テレサ』

ポスター画像出典:『映画.com

 

彼女ほどの大人物の映画なのに、Wikipediaにその映画詳細が無いのは不思議だ。インドにおいて、宗派を問わずにすべての貧しい人のために働いたテレサの葬儀は、1997年9月13日にインド政府によって国葬として荘厳に行われた。インド人ではない、ギリシャ、マケドニアの彼女がインドで国葬されるということが、彼女がどれだけの人物だったかがわかるワンシーンだ。2011年にサイババが国葬されるまで、唯一彼女だけがインド人以外で国葬された人物だった。

 

それだけではない。1973年のテンプルトン賞、1979年のノーベル平和賞、1980年のバーラト・ラトナ賞(インドで国民に与えられる最高の賞)、1983年にエリザベス2世から優秀修道会賞など多くの賞を受けた、1996年にはアメリカ合衆国史上5人目の名誉市民に選ばれている。全世界からその活動を称賛されたその大人物の映画がWikipediaにないのが不思議だということだ。

 

『マザーテレサからの手紙』を先に観ていた私は、その内容と比べながら観たわけだが、あまり大差は無かった。どれも残された記録を元に作ったのだろう。多少角度が違うので、二つ観れば彼女のことをよく理解できるわけだ。私の両親はクリスチャンを名乗る人間で、もう30年以上は教会、あるいは集会に通い続けている。だから私には彼女らのような人間の行動は非常に興味がある。そして、やはり名だけではなかったのだ。タゴール、ジャワハルラール・ネルー、チャンドラ・ボースらを考えても、ガンジー、そしてマザーテレサを超える人間は、そう簡単には出ないだろう。