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『王になった男』 レビュー(感想)と考察

『王になった男』

ポスター画像出典:『映画.com

朝鮮時代を描いた韓国映画は、彼らが描かなければ世に出ないので、それだけで貴重だ。時代は1616年頃の李氏朝鮮(1392-1897年)。時の国王は15代国王光海君(クァンヘグン)である。『代立軍 ウォリアーズ・オブ・ドーン』で描かれる光海君(クァンヘグン)とは違うもう一つの顔が描かれる。基本、韓国が描く朝鮮映画は、時代が被らないように、潰し合わないように配慮されている様子があるが、この場合、光海君は『二つの顔』を持っていたと言われるのでこういう展開もありだろう。

 

暴君としての顔があり、10代王の燕山君(ヨンサングン)同様に暴君として廃位された王であるため、廟号・諡号・陵名(太宗等)はない彼だが、ディカプリオが演じたルイ14世の『仮面の男』同様、このような展開があればそれもうなづけるというものである。

 

孔子の教えが根幹にある韓国の話は、王のあるべき姿を儒教を通して再確認しながらも、鑑賞者に人間が重んじる真理を啓蒙する形が多く、実際にそれはさすが孔子ということで、全世界に共通するレベルの圧倒的な説得力がある。