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『コレクター 暴かれたナチスの真実』 レビュー(感想)と考察

『コレクター 暴かれたナチスの真実』

ポスター画像出典:『映画.com

 

 

隠蔽されてきたナチスの実態をオランダ人ジャーナリストが暴いていく実話ベースの物語である。大富豪のアートコレクター、ピーター・メンテンが第2次世界大戦中にナチスに肩入れし、大勢のユダヤ人を虐殺したというのである。ナチスとコレクターというのは関連性の高いキーワードで、彼らは『戦利品』として色々なものを巻き上げていた。時にはその為だけに人をはめて殺し、死体から金品を奪い取るようなこともあった。

 

ただ、昔に遡るならもっと事例はいくつもあるはずだ。例えば三菱商事の創始者であり、坂本龍馬と同じ時代を息した岩崎彌太郎は、戦争で使う銃を輸入してそれを売りつけ、元手を作った。これはアメリカがやっていることと同じだ。1929年にアメリカは『世界恐慌』を引き起こし、一時壊滅的な状況に陥る。そこでフランクリン・ルーズベルトが『ニューディール政策』によって回復を試みるが、実際にアメリカが回復できた理由は1939年の『第二次世界大戦』で武器生産体制が強化されたからだ。

 

金銀財宝のすぐそばには、常にこうしたきな臭い話が漂う。こうなると彼らだけが悪いのではなく、もっと何か根本的な部分で人間は判断を見誤った(道を踏み外した)のかもしれない。