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『戦場からのラブレター』 レビュー(感想)と考察

『戦場からのラブレター』

ポスター画像出典:『GYAO!

 

 

原作はヴェラ・ブリテンの自叙伝『Testament of Youth』。第一次世界大戦があった1914年。仲が良かった弟や意中の人は、徴兵され、前線へ送られた。ヴェラも大学を辞めて、救急看護奉仕隊に志願し、ロンドン、フランス、マルタ島で任務に当たることになった。あの時代、戦争が正当化されていた。『西部戦線異状なし』では同じ第一次世界大戦の様子が描かれるが、行く前の青年たちの目はギラギラしていてこの世のものとは思えない異様な気配を漂わせている。

 

もちろんそれは演出である。あの時代にあった狂気的な空気と、実際の戦争の凄惨さのギャップを強調するために、コントラストを演出したのだ。あの時代、といっても私が知るわけじゃないが、戦争があった時代は、皆それが使命であり光栄なことだと誤解していた。しかし実際には違うのだ。戦争というのは真理から外れた虚無の上にある判断ミスなのである。