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『晩秋』 レビュー(感想)と考察

『晩秋』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

 
 
現代人はあまりなじみがないキャストばかりで、若き日のイーサンホークを知っているくらいという人が多いだろう。私も同じだ。だが、この映画の2年前の1987年の『月の輝く夜に』でアカデミー助演女優賞を受賞したオリンピア・デュカキスや、老衰している主演のジャックレモン、そして息子のテッド・ダンソンといった軸にいる人物らがいい味を出しているので、渋いテーマであっても、中々見応えがある作品となっている。そこは、スピルバーグが関与しているだけあるということか。

 

この映画ではむしろ、今一番知名度があるイーサンホークの方がガキっぽい演技である。明らかに彼以外のキャストが重大な役割を担っている。この世界には不思議な現象がある。『人間にとって重要なのはインテリジェンス(知性)。だが、人間が必要とするのはインフォメーション(情報)』という事実があるのだ。

 

その現象になぞってこの映画を説明するとこの映画は、『人間が必要とするのはエンタメ(娯楽)。だが、人間にとって重要なのは映画(教訓)だ。』ということになるだろう。地味だが、心温まるいい映画である。