『スパイゲーム』
ポスター画像出典:『ヤフー映画』
ブラッド・ピットとロバート・レッドフォードの新旧、二枚目スターの共演で話題になったというが、その話はもっと広げることができる。例えば私は兼ねてから彼らが似ていると考えていた。若き頃のロバートレッドフォードはブラッドピットに似ているのだ。骨格や背丈などが特にそう感じさせるのだろう。また、ブラッドピットはロバート・レッドフォードを尊敬しておりインタビューにて「師匠であり、もう一人の父親のような存在」と語っている。色々な意味で、彼らの関係性は近いのだ。
この映画は、実際にあった内戦中のレバノンにあったアメリカ合衆国の大使館が爆破された爆弾テロ事件である1983年のアメリカ大使館爆破事件が軸になっている。この事件が実際にあったので色々とリアリティの高い映画となっているが、その他のシナリオがどこまで本当かが分からずフィクションが混じっているので、『そのせい』で物語に上手に入っていくことができない。
それが『実話』と『フィクション』の決定的な違いである。緊張感と没入感が全然違うのが事実だ。では、フィクションを取り入れるならどのような展開にすれば映画が面白くなるのか。こと、実話を織り交ぜて展開させる場合は、様々な工夫が必要になる。
『アルゴ』も『15時17分、パリ行き』も実話で、緊張感と臨場感がまるで違った。今回のケースも二人の豪華共演というだけで喜ぶ人がいるのはいいが、それ以外の人も喜ばせて『名作』の域にまで達するとなると、人の死に方や、命の使い方など、普遍的な訴求力がなければ一線を画すことはできない。だが、案外いい線まで描く。そういう映画である。中々いい映画だった。