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『エンドレス・ラブ』 レビュー(感想)と考察

『エンドレス・ラブ』

ポスター画像出典:『ヤフー映画

 

当時は聖少女といわれたブルック・シールズ(撮影当時15歳)の美貌が売りだったかもしれないが、30年経った今では『トムクルーズのデビュー作』となっている。その次に、同じ年の『TAPS』があり、すぐに『アウトサイダー』、『卒業白書』といった名作に出て、『トップガン』でトップ俳優入りとなる。

 

タモリの名言で、『若さに頼るな。それはいずれなくなるものだ。』という言葉があるが、女性によくありがちなのが、若く美しい時にひたすらに勘違いしてしまうことである。子役なども同じだ。

 

だが、中にはもちろん『本当に美しい人』もいて、例えば山口百恵のような去り際を筆頭とした、30歳あたりを目安に引退し、次のステージへと計画的に移る賢い人もいる。自分の今の人気は、若さと独身状態が80%以上を担っているシビアな事実を、直視する美しい心を持っているのだ。逆に、それがない人の心は醜い。執着と無知にまみれているからだ。

 

だが、そうなってしまうのも無理はないというほどのキュートさ、美貌を持って生まれたのは、間違いなく一つの事実である。子役で言うなら芦田愛菜だ。キュートな笑顔で日本中を幸せにし、成長してからも自分で次のステージへのコマを進めていった。『子役はすたれていく』という間違いなく蔓延している負の気配を、実力で覆したのだ。彼女の両親も含め、これが成功パターンである。

 

そのブルック・シールズだが、この前の『青い珊瑚礁』でも彼女の表現に対し『美しい』などという言葉が各所に載っているのを見るが、軽薄である。人を表面でしか見ていない残酷さが垣間見える。だから、『美しくなくなった彼女には価値がない』という解釈が垣間見えてしまうのだ。だが事実、そんな残酷な事実を裏打ちするように、彼女のキャリアはここから一気に低迷していく。ほぼ無名の映画にしか出演することができなくなり、彼女のピークは『青い珊瑚礁』となっているのである。

 

従ってこの映画は、当時は聖少女といわれたブルック・シールズの美貌が売りだったかもしれないが、30年経った今では『トムクルーズのデビュー作』となっている。女優たちの若い写真をたくさん観る機会があったとき彼女を見つけたのだが、彼女のように確かに美しい人がいたことと同時に、なぜそれを私が知らなかったのか、ということを考えた時、そこに存在するある種の残酷さと決定的な事実から、人生の教訓を得た。