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『トロイ』 レビュー(感想)と考察

トロイ

ポスター画像出典:『映画.com

 

紀元前1200年代。世界で最初の公式な戦争は、紀元前1285年頃にあったカデシュの戦い (古代エジプトとヒッタイト)である。実際にはもっと以前から存在したが、史上初の公式な軍事記録に残された戦争であり、成文化された平和条約が取り交わされた史上初となる戦いであるともいわれている。これは、ラムセス2世というファラオが参加した戦争だが、おそらく、モーセが存在していたなら、このラムセス2世と同時代だったと考えられている。よって、『エクソダス神と王』では、モーセとラムセス2世は兄弟のような友情で結ばれた友人として演出されている。

 

しかし、エジプトであったその戦争と同時代のギリシャで、『トロイア戦争』という戦争があった可能性があると言われている。これは、カデシュの戦いに比べて明確ではなく、あくまでもギリシャ神話の域を出ないものである。だから、この戦いに登場するアキレスも、本来ならギリシャの人格神として語り継がれるものである。これは、そのアキレスをあくまでも一人の人間と捉えた、壮大なスペクタクル歴史映画である。同じ時代にあった『アレキサンダー』は、実在したアレクサンドロスを描いた映画だが、その5倍も売り上げた、ヒット作だ。私は両方とも見応えがあり、歴史を学べて良かったととらえている。