ポスター画像出典:『STUDIO GHIBLI』
映画ではなくスペシャルアニメ作品かもしれないが、スタジオジブリの作った一つの映画として捉えている。この映画は、高知市のなまりもあるし、10代の男女の支離滅裂で特に深い意味のないいくつもの言動に、作品全体の意図がぼやけがちになるが、『それら』をすべて理解したうえで、多くの経験を積んだ人が(こういうことは、全然ある)という観点で観ることができれば、一切の癖が削ぎ落され、中にある純粋な物語に目を向けられるようになる。
私の若い友達は、この映画がなんだかよくわからなかったと感じたらしいが、それはただ経験が少ないからだ。青春時代とは、もともと支離滅裂なのだ。そして、人の心は移ろいやすく、だからこそそれが確固たるものであったときに感じる感動が、ひとしおなのである。