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『アメリカン・ギャングスター』 レビュー(感想)と考察

アメリカン・ギャングスター

ポスター画像出典:『Amazon.co.jp

 

実際にあった話を基にしていることもあって見ごたえ十分だ。ただ、この映画は悪人としての生き方に少しも共感できない人は、爽快さを感じることはできないだろう。こういう事実があるから、私はたまにフィクションとノンフィクションの境目を見失うのである。そして、何が正義で、何が悪かの境界線も。

 

キング牧師が暗殺された1968年、当時のハーレムのヘロイン密売人で組織犯罪のボスであるフランク・ルーカスは、ニッキー・バーンズと並び麻薬業界の大物として、一大勢力を築き上げていた。物心がついたら家族がショットガンを口に突っ込まれている。そういう環境で育ったら、そこで生きていくために、子供は、どういう人間に育つだろうか。断片的に見れば当然間違っている。だが、そうも言い切れないのは、彼の生きた環境と哲学が稀有なものだからだ。