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『遠い夜明け』 レビュー(感想)と考察

『遠い夜明け』

ポスター画像出典:『映画.com

 

南アフリカで人種問題と戦った人間と言えば、真っ先に思い浮かぶのがネルソン・マンデラである。だが、彼は1964年から実に27年間もの間投獄されてしまったのだ。では、その間に社会では誰が黒人解放の指揮を執ればいいか。そこで活躍したのが、スティーブ・ビコである。彼の名を知らないのも無理はない。彼は30歳でこの世を去った。それも、人種差別という理不尽な問題が原因で、命を落としたのだ。

 

彼の役を演じたデンゼル・ワシントンはその他にも『マルコムX』、『グローリー』等で信念のある知的な黒人男性を演じたが、黒人コメディアンのエディ・マーフィがハリウッドで大受けしていた時代に、デンゼルはコメディーだけが黒人俳優の仕事ではないと主張するため、敢えて人種間の緊張を引きずる作品に出ていたという。