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『スパルタカス』 レビュー(感想)と考察

スパルタカス

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

スタンリー・キューブリックの名作の一つとして数えられるが、監督兼主演のカーク・ダグラスが大物すぎて、実際には思い通りには描けず、自分の作品とは認めていないという。しかし、その意に反して高い評価を受けている映画で、彼の経歴の傷には決してならないということである。確かに、スパルタカスの話は映画化するべきである。彼は、紀元前400年代にあったペルシャとギリシャの戦いで、たった300人で立ち向かったスパルタの戦士たち、そして、世界で三番目の帝国を作り上げたアレクサンドロス、ローマ帝国と激しい戦いをした世界史上最高の名将と言われたハンニバルに続き、この世界の大きな戦いの歴史を作った高名な戦士だからである。

 

元は奴隷だった彼の兵は、最大で12万人まで達したというのだから尋常ではない。普通、戦で5万人が動けばそれはとてつもなく巨大な規模となる。女、子供、老人もいたかもしれないが、そのエネルギーの集め方、求心力の凄まじさは、極めて異例であり、彼の生き方そのものを忠実に描くだけでそれが映画になるのだからすごい。時代は過ぎた。またいつか最新の映画技術で彼の話は映画化するべきである。