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『モーターサイクル・ダイアリーズ』 レビュー(感想)と考察

モーターサイクル・ダイアリーズ

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

若きチェ・ゲバラが南米大陸を旅した旅行記を基に作成された映画。インカ、アステカ、マチュピチュ、伝統的な歴史を自分の目で見て冒険しながら、同時にアメリカ大陸が抱えている闇に触れていく。元来、曲がったことが大嫌いで馬鹿正直なゲバラは、医者になる勉強をしていた。『最善の状態に戻す』ことが彼に取っての生きがいだったのかもしれない。無意味な国籍で国が分かれ、混血がどうとかいう理由で、宗主国生まれの白人(ペニンスラール)だか、植民地生まれの白人(クリオーリョ)だか知らないが、それはあるべき姿ではないと考えるようになったのだ。

 

革命家チェ・ゲバラの思想はこうして作られた。どのようにして偉人が生まれるか。「これは偉業の物語ではない 同じ大志と夢を持った2つの人生が しばし併走した物語である」と映画は言うが、私にとっては、革命のまさにその最中を切り取るよりも、こうした根幹部分にスポットライトを当てる方が貴重であると考える。