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『火垂るの墓』 レビュー(感想)と考察

火垂るの墓

ポスター画像出典:『STUDIO GHIBLI

 

私はスタジオジブリの映画が好きで、宮崎駿作品はすべて見ている。だが、家のすぐ近くにある三鷹にあるジブリ美術館にはまだ行っておらず、この作品やいくつかのジブリ作品は見ていないままである。そこにある感情は、『もったいない』というものだ。宮崎駿の作品はすべて見たいが、ジブリ作品は未開拓の状態でいたい。そういう気持ちがこのような結果に繋がっているのである。だが、今回ようやくこの作品を見ることになった。

 

かつて、大島渚やダウンタウン浜田雅功と殴り合って喧嘩をした野坂昭如の壮絶な戦争体験を基に作られた、実話ベースの衝撃の作品。これを観ると、宗教に悩まされ、宗教が嫌いになった私ですら、宗教がこの世にあってほしいと願ってしまうのである。また、暴れん坊で品性がない印象があった野坂に対する見方も大きく変わることになる。彼がどういう思いで戦後の人生を生きてきたかを考えると、あんな事件もこんな出来事も、彼にとっての戦争(戦い)だったのだ。