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『この世界の片隅に』 レビュー(感想)と考察

この世界の片隅に

ポスター画像出典:『映画.com

 

第二次世界大戦の広島と言えば、真っ先に思い浮かぶのが『原爆』である。これは、まだ原爆ドームが『広島県産業奨励館』と言われていた時代の、嵐の前の静かな広島から始まる、平和な人生を望んだ天然少女の物語である。では、天然少女というのは、何をもってしてそう言われるのか。計算しているのか。それとも、能天気で何も考えておらず、感情がないのか。いや違う。少なくとも彼女の場合は、感情がないわけではない。しかし、その奥底にある熱すぎるエネルギーを表面化して生きることは、心外なのである。

 

そんなことをしたら壊れてしまう。崩れてしまう。自分の好きな、平和でのどかなこの世界を、汚してしまう。だから絵を描く。密かに想う。しかし、ある時その世界は音を立てて崩れた。光があたり一面を照らし、握っていた小さな手の感覚がなくなった。

 

 

 

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