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『フォードvsフェラーリ』 レビュー(感想)と考察

フォードvsフェラーリ

ポスター画像出典:『映画.com

 

 

この映画の面白いところは、二つの次元が存在するところだ。確かに、米F社・伊F社の戦いではある。だが、それはあくまでも表層的なもので、この戦いのもっと中心部にある煮えたぎるエネルギー源は、命がけでレースをするドライバーに存在するのだ。しかし彼らはまるで部外者で、主役は経営者である。確かに彼らも利益という大きなエネルギーを賭けて戦っている。

 

だが、『命』はどうだ。そう考えた時、両者から伝わってくる体温に違いがあるのは、明白である。我々はこの二つの次元を客観視し、この世界にいつの間にか生まれた『階層』の滑稽さを目の当たりにすることになる。

 

アインシュタインは言った。

 

信念がなければ未踏未達の道は開拓できない。だが、それはそれで足枷となっていくつもの問題を生み出す。果たして我々は、この人生を一体どう生きれば悔いを残さないだろうか。これは、自分の人生を信じて突き進んだ、誇り高き男たちの物語である。