『黄昏』
ポスター画像出典:『GYAO!』
戦前の米国映画は、「ボーイ・ミーツ・ガール」という典型的な法則に支配されていたという。つまり、一人の青年が一人の少女に会い、恋に落ちる。そこへごたごたが起きて二人の仲はピンチになるが、その危機は克服され、二人はめでたく結ばれる。というハッピーエンドである。
これは1952年の戦後の映画だ。だからこの法則を逸脱する動きを意識しているのか。とにかくそう単純な映画ではなく、中々哀愁のあるラストシーンを展開してくれる。当時を生きた人間だから明言はできないが、映画というものも他の一切のものと同じように、試行錯誤で、日進月歩、積み重ねて模索してきたはずである。だからこそ例えば現在は、過去のリメイク作品が多く、彼ら曰く、『もうパターンをやり切った』という。
つい、古い映画を観ると作品のクオリティというよりは、そうした裏の背景を想像してしまう。こうやって、積み上げてきたのだと。