ポスター画像出典:『映画.com』
二度目になるのだが、前回は見ただけだ。『観た』のではない。本を読むのと『眺める』のが違う理由と同じである。前回はただイカれた男が爆弾処理をするという漠然としたイメージしかなかった。だが、やはり実際には全然違った。イラク戦争中の2004年、バグダッド郊外。アメリカ軍の危険物処理班は、路上に仕掛けられた「即席爆発装置(IED)」と呼ばれる爆弾の解体、爆破の作業を進めていた。爆弾処理班から見た戦争の光景。鑑賞中に走る緊張感は、まるで自分が戦場にいるかのような錯覚さえ覚える。これは、人知れず人間が無意味に生み出したこの世の混沌たる闇を処理する、孤高の勇者の物語である。