この映画がどれだけ貴重な素材かというのは、哲学や宗教、偉人らをまとめた姉妹サイトの集大成記事を読まなければ理解できない。斬新で爽快なアクションだけ楽しんでもいい。だが、それよりも重要なのがこの筋書きである。人間を強力な『外圧』で統制していくことで世界平和をもたらす。それが人間として本当に正しい姿なのか、そして違うのであれば、どうすればいいのか。おそらく、遠い未来でこの筋書きについて熟考しなければならない時が来るだろう。
私は本一冊分ほどの文字数である記事を書いたのだが、それは 『人間の最終到達地点』 というテーマだ。歴史を宇宙創造から学び直し、徐々に人間が進歩してきたことを見た。だが、いつまでも変わらないのものもある。人間は恒久的に未熟な存在なのである。
世界史、日本史にて何度も見てきたが、世界初の帝国が誕生したアッシリアの時代から、現代にかけての世界の覇権の推移を見てみよう。
ヨーロッパの覇権の推移
そしてこの後だ。規模もヨーロッパから『世界』へと変え、まとめ方は『世界で強い勢力を持った国』とする。
17世紀のイギリス以降世界で強い勢力を持った国
アッシリアからはじまり、ペルシャ、アレキサンダー大王のマケドニア、ローマ、モンゴル帝国と、この世界を『支配』する人が後を絶たなかった。当然『なぜ』そうしたのかもすべて学んだ。すべて頭に入って理解している。関連映画もほぼすべて見た。現在はアメリカがトップで、次に来るのは中国がロシアだと言われている。 だが、一向に世界平和が訪れない。それはブッダやキリストが息をした時から現在に至るまで、ずっとだ。
そこでまとめたのが以下の内容だ。
ここで言う『ブッダ』とは、仏教的な話ではなく、仏教の開祖のあの『ブッダ』と同レベルの精神を持った人間のこと。最低でも、『真理』が何かを『システム2』で熟考した人間のこと。
神話、宗教、哲学、法律、教育、という人為的な一切が生まれ、だが、この世は相も変わらず混沌としたままである。私がたどり着いたのは、 『全員がブッダになる』というものだ。私はもちろん無宗教である。意味は『熟考する人』だ。インサイドアウトとは『内から外へ』という意味。つまり、『自分の心が変われば自分の周りは変わっていく』と発想する。 その逆がアウトサイドインだ。『すべての鍵は外にある』という発想。当然、真理は前者である。それがブッダらすべての聖人がたどり着いた共通の答えだ。
人間全員が自主的に『熟考する人』になるのはほぼ不可能である。周りを見渡してもそんな人は1割いるかどうかだ。ほとんどすべての人が『認知の歪み』という言葉の意味すら理解しないで生きている。では逆に、この世界を『圧倒的な外圧で支配する』のはどうだろうか。この世界で何人もの帝国の支配者たちがやろうとしてきたように、この世界を外圧で支配するのだ。 そのイメージを教えてくれるのが『リベリオン』なのである。
この映画はほぼ全員がその圧倒的なアクションに目がいってしまうだろう。だが違う。この映画でイメージできるのは『圧倒的な外圧で支配する世の中』についてなのだ。自分の心を押し殺し、インサイドアウトを見出した聖人たちとは『真逆』のアウトサイドインの方向で生きる人間の末路。 それがこの映画で観ることができる。これは、ずば抜けた教材なのだ。