ポスター画像出典:『Yahoo!映画』
登場人物は架空だが、16世紀末~18世紀にかけて、南米各地に建設されたイエズス会伝道所の活動の歴史にヒントを得て作られた作品だ。南米での宗教布教というテーマ自体がとても貴重であり、見応えは十分。歴史を学んだ人ならそうじゃない人の数倍以上は価値を見出せるだろう。
作品の後半の展開のモデルになっているのは、1753年に始まる「グァラニー戦争」である。1750年の「マドリード条約」によって南米大西洋岸の、スペイン・ポルトガル両国の帰属があいまいで係争の種であった地域(現在のブラジル南部~ウルグアイ付近)における国境の画定がはかられた。伝道所が立地していた地域はポルトガル領に帰属することになり、住民は移動を命じられたが、イエズス会士と先住民は協力して抵抗した。映画では数日間の戦闘シーンに凝縮されているが、実際には、スペイン・ポルトガル連合軍による鎮圧に1756年まで要した。