『ピアノ・レッスン』
ポスター画像出典:『映画.com』
スコットランドからニュージーランドに渡り、結婚相手がいるマオリ族らと共に生活する言葉を喋ることができない、ピアノが大好きな子連れの若き母親。その状況だけを考えても中々異例である。そもそも彼女はなぜ喋れなくなったのか。闇が深そうなその人生とは裏腹に、彼女の弾くピアノの旋律は優雅で、それに合わせて踊る子供も無邪気そのものである。
波長があるのだ。自分の人生の、リズムがある。それは、奏で、そして聴いてみなければ分からない。理屈ではないのだ。理性は彼と結婚することを決めている。だが彼女という人生の調べが『連弾』を許したのは、彼ではなかった。