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『エアフォース・ワン』 レビュー(感想)と考察

エアフォース・ワン

ポスター画像出典:『映画.com

 

この映画のポイントは、当時アメリカ大統領機の『エアフォースワン』が非公開だったということ。しかし、ハリソン・フォードが友人であるビル・クリントンに頼んでその内容が明らかになり、それが映画化に繋がったということだ。実際に写真公開がされたのはもっと後の話だが、イラストなどから内容を緻密に再現できたという。確かに、PS、PCゲームの『レインボーシックスシージ』に登場する『大統領専用機』に瓜二つの映像が出てくる。階段から会議室の場所までそっくりだ。ゲームを知っている人はそういう楽しみ方もある。

 

冷戦は明けたが、2020年においてもロシアの動きは常に水面下で警戒する対象にある。そうなると、明けてから間もないこの時期はもっと怖い。戦争のように相手国に爆弾を落として力づくで鎮圧したわけではないので、ドイツのように賠償金の支払いで身動きが取れなくなるわけでもない。いつまた何をしでかすかわからない。そういう不安は共産主義への不安のど真ん中を生きた人々からすれば当然であり、黒人差別がいまだに色濃く残っているのと同じように、彼らの心底に渦巻き続けている。

 

では、もしソ連復活をもくろむテロリストに大統領機が乗っ取られたらどうなってしまうのか。彼らにとって『エアフォースワン』という得体のしれない存在とソ連関連のテロリストというのは興味の対象であり、映画化して注目を集めるのは気を引き締めるのに効果があっただろう。