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『グランド・ブダペスト・ホテル』 レビュー(感想)と考察

グランド・ブダペスト・ホテル

ポスター画像出典:『映画.com

 

歴史を最近学んで記憶に新しい人間としては、一番気になるのが『財産が共産化によって国有化される』という話である。共産化ということがどういうことなのかがわかるワンシーンで、たとえその財産をめぐってどれだけの歴史とドラマが積み上げられていたとしても問答無用となる。利点もあるが、デメリットとしての残酷性のインパクトが強い。我々はこのホテルを後で振り返って、そこにとても強い哀愁を覚える。その理由の一つはいくつもの波乱に満ちたドラマを知ったからであり、そしてもう一つはもうこのホテルが幾人ものエネルギッシュでユニークな人々の人生と共に、過去の遺物だからだ。