『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』
ポスター画像出典:『映画.com』
若くして世を去ったこのトーマス・ウルフという作家は、この時代を生きた様々な天才作家、つまり『グレートギャッツビー』などで知られるフィッツジェラルドやヘミングウェイなどが息をしたその時代にあって、
『自分たちの時代で最も才能ある人物だったかもしれない』
と言わせた知る人ぞ知る天才作家だった。だが、その天才の人生に大きく関わった人物がいる。それがこの編集者パーキンズである。彼はまさしくそのフィッツジェラルドやヘミングウェイなどの作家を見出して世に展開させた。その中の一人にこのウルフがいたのである。
編集者という地味目なポジションの話で話も地味になるかと思いきや、そうはならない。何しろ天才と、天才を見抜く男の話だ。見応えは十二分であり、個人的にもとても教訓性が高い映画だという印象で、釘付けになった。キャストの組み合わせも『レイルウェイ』、『コールドマウンテン』など他の映画を観ていれば更に面白い。誰もが知るヘミングウェイよりも天才だったかもしれない男の人生とは、一体どういうものだったのか。そして、なぜ彼がヘミングウェイよりも有名ではないのか。その辺りがこの映画の見どころである。