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『モンゴル』 レビュー(感想)と考察

モンゴル

ポスター画像出典:『Yahoo!映画

 

モンゴル帝国の創始者であるチンギス・ハーンの生涯の前半が描かれている。モンゴル帝国とチンギス・ハンというのは歴史的にも非常に重要なキーワードだ。だが、ローマ帝国を潰したゲルマン人の『アッティラ王』同様、あまりここに焦点を当てて掘り下げられた映画がない。それは恐らく、この世界の映画の中心が英語圏のアメリカやイギリスであることが原因だろう。その証拠に、動画配信サービスが普及されるようになってあらゆる国の映画が見られるようになり、鑑賞すると、ロシアや中東などにもしっかりと映画があり、『何を軸にして描くか』で視聴者に与える影響が大きく異なることが分かった。

 

だが、この映画はその動画配信サービスにも存在しておらず、DVDを購入しなければならなかった。多くの映画を鑑賞した私だが、そこまでして観る映画は無いに等しい。しかし、そこまでして観るべき映画(歴史的ワンシーン)だと知っていたからこそ購入したのであった。

 

この映画は、ドイツ・カザフスタン・ロシア・モンゴル合作映画で、主役の浅野忠信は日本人。登場人物には中国人も出るし、その他フランス人スタッフなど世界各地の人々が集まって製作している。それだけ重要な人物を描くということだ。偏りがあってはならない。では、結果はどうか。確かに『偏り』はないだろう。どんな人物にも過去があり、幼少期から悪魔のような人間はいない。

 

これは決定的な事実だ。だが、チンギス・ハンを悪魔だと思う人間は、この世界に大勢いたことだろう。それが『帝国を拡大する』ということだ。どちらにせよ、この世界で最も領土を拡大したと言われるモンゴル帝国の創始者。彼や大英帝国の話を知らずしてこの世界を生きるわけにはいかない。