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『グリーン・デスティニー』 レビュー(感想)と考察

グリーン・デスティニー

ポスター画像出典:『映画.com

 

王度廬の武俠小説『臥虎蔵龍(がこぞうりゅう)』を原作とした武俠映画。『武侠(ぶきょう)映画』とは中国文学での大衆小説の一ジャンルで、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公とした小説の総称である。とにかく、中華圏で多くの賞を受賞しているだけあって、そのアクションが圧倒的である。日本は歯が立たないと言っていいだろう。『るろうに剣心』のアクションが際立ったのは、その他の日本映画のアクションが世界と比べて歯が立たないからだ。

 

黒澤映画は世界的に有名で、多くの映画人にリスペクトされている。だが、あの映画の評価はアクションではなく、描かれる武士道精神をもった侍たちの心意気や、監督の映画テクニックである。例えば格闘技の試合を見る時、ドロドロ試合がいいだろうか、それとも一発KOのド派手な試合がいいだろうか。いくら『それがリアル』だとしても、『アクションがすごい!』と人に言わせるためには必要な要素があるのである。

 

もちろんワイヤーアクションとして笑ってしまうような非現実性もある。だが、それを排除してもこのアクションはすごい。普通の人間ではできない。明らかにこれは世界に誇る技術だ。中国はその誇張と虚偽の演出方法の展開を変えたら、『レッドクリフ』のように世界を震撼させる映画を作るだろう。