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『ある公爵夫人の生涯』 レビュー(感想)と考察

ある公爵夫人の生涯

ポスター画像出典:『映画.com

 

デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ・キャヴェンディッシュの伝記小説を映画化した作品。彼女は1757年6月7日 – 1806年3月30日を生きた人で、イギリスの貴族女性だ。だからイギリスのこの時代を描く映画として、貴重なシーンである。貴族という文化が当然のように存在し、その人たちがどのような生活をしていたかがわかる。更には、彼女があのダイアナ妃の祖先にあたる人物ということもまた、注目に値する事実だ。

 

彼女もまた、最初は貴族ではなかった。だが、結婚して貴族になった。女性は皆『白馬の王子』を求めると言うが、もちろんこの時代にもそれは通用する物語だった。そこまではいい。迎えに来るところまではいい。だが、いざ迎えが来た後の生活はどうだ。具体的にどういう人生が待っている。そこには、『待つ』ことを強いられた女性の儚く、切ない切実な現実があった。