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『カラーパープル』 レビュー(感想)と考察

カラーパープル

ポスター画像出典:『映画.com

 

黒人女性。このキーワードだけで、生きる時代によってはもう人生が決定してしまう一面がある。男性でさえ奴隷にされてしまうのだ。女性はもっとひどい扱いを受ける。『女性差別』という言葉があるだろう。日本でもつい最近まで、女性が残業をしていると白い目で見られた。ましてや黒人ともなるとその風当たりは『先進国で生きる平凡な男性』のそれの何倍にもなる。

 

彼女らの人生を見て何を思うか。自分がそれと比べて幸せだと思うのもいい。だが、それだけで終わらせるのはいささか何かが足りない。子供でもそこまでは考えられるはずだ。大人は違うところまで考えを巡らせたい。『世界一稼いだ黒人司会者』として有名なオプラ・ウィンフリーや、陽気なはずのウーピー・ゴールドバーグが出演するところがポイントだ。また『リーサルウェポン』でお堅い刑事役を務めたダニー・グローヴァーの怪演ぶりもこの作品の階層を一層深くしている。