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『ボーン・コレクター』 レビュー(感想)と考察

『ボーン・コレクター』

ポスター画像出典:『GYAO!

 

安楽椅子探偵(あんらくいすたんてい)という言葉があるらしい。現場に行ってその足で情報を収集することはせずに、室内にいたままで、来訪者や新聞記事などから与えられた情報のみを頼りに事件を推理する探偵などのことを言う。その意味で、古畑任三郎、江戸川コナン、刑事コロンボなどとは全く違う探偵のことになる。だが、彼の場合、意図せずしてそうなってしまった。怪我をしてしまったのだ。生きていただけでも奇跡なのである。

 

彼がタッグを組んで一緒に操作することになった相手は、一人の優秀な女性捜査官だった。高い評価を受けているわけではない。だが、安楽椅子探偵を務めることができるクラスの彼の直感が、彼女を高く評価したのである。だが、彼女はとあるトラウマを抱えている。女性ということもある。それが物語に危険な緊張感を漂わせる。

 

そしてついに彼らはこのタイトルにあるような『危険な犯罪者』まであと一歩まで迫るようになる。よく考えてみる。そんな危険な犯罪者に立ち向かう主軸が、身動きできない怪我人の探偵と、トラウマを抱えた女性捜査官だということを。