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『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』 レビュー(感想)と考察

『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』

ポスター画像出典:『映画.com

 

カントリー・ミュージシャンのジョニー・キャッシュの伝記映画で、特に彼の2人目の妻となった歌手のジューン・カーターとの関係を描いている。アメリカでは有名な話だが、彼のことを知らなくてもエルヴィス・プレスリーという男の名前は知っているだろう。彼と同時代を生きた破天荒な男の物語である。だからこの映画に出てくる登場人物はほぼ実在する有名人で、知る人には豪華なアメリカンヒストリームービーとなっている。彼らの後に出てくるのがボブディラン、ビートルズという面々である。

 

世界的に脚光を浴びたエルヴィスに隠れ、ジョニーキャッシュ自体もかなり波乱に満ちた人生を送っている。その奇天烈ぶりをホアキンフェニックスが見事に怪演。あるワンシーンなど、実際にドラッグをやっているのではないかと思うほどの迫真の演技を見ることができる。

 

銃やドラッグが簡単に手に入るアメリカでは、自由の権利と引き換えに、事件に巻き込まれ、中毒死したり人生を転落するリスクが高い。『ロケットマン』、『ボヘミアンラプソディー』でもエルトンジョンやクイーンにおける同じような展開を見ることができる。名声を得て、お金を得て、そのお金で夢にまで見た私利私欲を満たす。その時アメリカでは、そこにドラッグがあることがある種常識的な光景なのだ。果たして、彼の人生は一体どうなるのか。