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『お買いもの中毒な私!』 レビュー(感想)と考察

お買いもの中毒な私!

ポスター画像出典:『映画.com

 

お買いもの中毒な私!』(Confessions of a Shopaholic)は、2009年の映画。原作はソフィー・キンセラの『レベッカのお買いもの日記』。女性の多くが彼女の衝動に共感を覚えるのではないだろうか。私も20歳前後の時はそうだった。ブランド物を持つと自分の格が上がった気がするから、他人が持っていない新作のアルマーニやプラダの服を見ては買い物をしていた。

 

誰もが一度は通る道。もちろん彼女の場合は私よりも重症だ。お金がないのに買ってしまい、友情さえ傷つけてしまう。酒、麻薬、恋愛、お喋り、タバコ、甘いもの、お菓子、これらの共通点は衝動買いと同じだ。脳内の『ドーパミン』という報酬系物質が放出される。だから私の場合、買い物をしたらそれで気が済んでしまうところがあった。つまり私は買い物というより、ドーパミン中毒だったのである。

 

『脳とこころのしくみ』にはこうある。

ネズミは、最初の頃はボタンを押した後に一旦はボタンから離れるが、次第に自由に歩き回れるにもかかわらず、ボタンから離れず、体が衰弱するまで押し続けるようになる。これを自己刺激行動という。ドーパミンがもたらす快感はそれほど魅力的なのだ。

STEP.1
押すとドーパミンが出るボタンを設置
STEP.2
ネズミがそれを押す
STEP.3
死ぬまで押し続ける

 

 

上記の記事に『クレプトマニア』について書いている。この病気も、実はこのドーパミンが関係している。我々が『やめられない止まらない』状態に陥っている時、実は脳内では『重度の麻薬依存症』と同じ現象が起きているのだ。この映画も、大体の人も、その根幹には目を向けずに表層だけでてんやわんやすることになる。それは直接根幹に問題解決の働きかけをしないためだ。だから行くところまで行ってしまう。そしてそれがドラマになるのだ。

 

こうした目線を一つ持つと、映画の奥行きが変わってくる。