ポスター画像出典:『Yahoo!映画』
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの長編小説を映画化。イーサンホークがイケメン的な役割を演じて、まるで彼の今後がディカプリオやブラッドピットのように華やかなものになるかのようにメイン軸として起用される。確かにその可能性がありそうだ。そして重要な役どころをやるロバートデニーロの存在感。圧倒的である。彼の存在がこの映画の奥行きを一層深いものにしている。また、キーマンとなるこのイラストでも見ることができる老婦人の役を演じるアン・バンクロフトだが、彼女のこともいくつか知っておくとより面白くなるだろう。
彼女はまず『奇跡の人(1962年)』であのヘレン・ケラーの恩師である熱血女性を熱演。これだけで彼女に向ける目が変わるわけだ。あの壮絶な『教育』は見るものを圧倒させる。それが実話なのだからもっとすごい。更に、『愛と喝采の日々(1977年)』で彼女が演じたのはバレエダンサーだ。この2つの名作を最低でも知っておけば、彼女の怪演ぶりに拍車がかかることになる。
謎の金持ちの老婦人と美女。その2つの要素はそれだけでミステリアスであり、この話を複雑にさせる。そしてそこにデニーロが演じる謎の男が加わるわけだ。彼らの存在感が絶妙に物語をこんがらがせ、無知で純粋な『孤児』である田舎少年の人生を翻弄する。これらの要素が一つでも欠けたら、この物語が成立しなさそうな気もする。その意味で、これは名作だ。映画化されるに相応しい見応えのある物語。